インプラント治療は、人工歯が取り付けられたタイミングが一区切りだと考えられています。しかし、あくまで区切りなだけであり、その後も歯科医院には定期検診のために通う必要はあると思います。定期検診では、主に口内の洗浄や歯周病になっていないかの確認、自分では気づきづらいインプラントの異常がないかのチェックが行われるそうです。
ですが、これら以外にも定期検診には重要な目的があります。歯や周囲の組織の状態、唾液の性質、咀嚼力など、口の中の状態は常に同じというわけではありません。時間の経過に伴って状況が変化することが多いといいます。口の中の状態が変われば、それに合わせてインプラントの人工歯を調整しなければならないこともあるでしょう。なかでも大切なのは、噛み合わせの状態です。残っているもとの健康な歯は、年を取っていくとすり減っていきます。一方、インプラントの歯を天然歯よりも硬くてすり減りづらいため、これが噛み合わせに悪い影響を及ぼすこともあるというのです。そして、かみ合わせがずれたままにしておくと、天然歯やあごの筋肉にダメージを与えてしまうかもしれません。
噛み合わせのずれの治療が終わり、今まで通りよく噛めるようになったら、もう定期検診に行く必要はないと考えるかもしれません。しかし、歯科医師の指示がない限り、定期検診にはきちんと通うことをおすすめします。怠けずに治療に取り込むことこそが、残った歯とインプラントを長持ちさせる秘訣といえるでしょう。